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痛い。とっても痛くて、切なくて・・・
こんなに面白いとは!

もっと早く読めば良かった。

続くへ。

先に「クジラの彼」を読んでいたので、
てっきり高巳と光稀の方がメインなのかなと思ったら、
瞬と佳江のがメインでしたね。

そして冒頭に書いたように、読んでてとても心が痛かった。

不運としか言いようがない事故、残された家族。
現実逃避した者、復讐に燃えた者。

誰もが100%間違ってるわけじゃなくて、
でも正しいわけじゃない。

そんな感じで最初からもう切なくて、
瞬が父の葬儀に出るあたりから涙。

私、なぜか瞬が斉木三佐の息子て分かってたのに、
どうして河原に行ったのかに気付かなかったんですよね・・・
修行が足りません・・・

読み進めるうちに、「ああ次はこうなるな」って予想がつくんですけど、
それがまた切ない・痛い予想で。あたってほしくないけど・・・
みたいに思いながら、胸をぐっと掴まれたまま読み進めました。

最後ちゃんと全部がうまくまとまって本当に良かった!
お約束なハッピーエンドで物足りない人もいるかもしれないけど、
私はこのすべてが幸せな終わり方が大好きです。

登場人物の感想を。

★瞬と佳江

瞬は確かにグジグジしてるし、タガが外れてしまっていたけれど、
よくよく考えたらまだ子供なんだよね。
だから間違いを正す方法すら間違えて。
救いは最後にはフェイクを間違わせたことを反省したこと、かな・・・
ただ佳江と同じ側にいくためだけのままだったら、
まったくもってフェイクが救われない・・・

佳江は、瞬ともめたくなくて見て見ぬふりをした・・・けど、
それって、言ってもどうせ聞かなかったんだろうからなぁ・・・
そこまで自分を責めなくても・・・と思ってしまったのは私が佳江に感情移入したからかな。
白鯨対策本部で膝に額がつくほど頭を下げたところでまた涙。

「あたしに触ってえい奴はあたしが決める」

結局は最後、佳江の強さが瞬を救いましたね。

★高巳と光稀

子供達のインパクトが強かったせいか、
思ったよりインパクトが無かったのは
心突き動かされるような大事件(この二人には)が無かったからか。

でも高巳みたいに、一見ひょうひょうとしてて、その実、人をちゃんと見ていて、
的確にアドバイスというか、空気を読んだ発言というか、
「いい言葉」を放てる人は魅力的だと思う。

そしてこちらも「残された」側の光稀。
遺族ほど声を荒げたり、乱れたり出来ない分、
+性格のせいで辛かったんだろうなぁ。
そしてその性格が確かに可愛い。女の私から見ても。

ここから「クジラの彼」のあのお話に繋がるのか~。

★宮じいと真帆

真帆も可哀想な子なんだけど・・・
やっぱり腹が立つ(苦笑)
そんな彼女を救った宮じいの言葉。

そう、大人になれば分かること。
もし真帆が、大人な年齢のときにこの事件に見舞われていたら、
こんな風にはならなかったのかもしれないなぁ・・・

宮じいは、賢しくない言葉で訥々と諭す。
諭すつもりなんてないんだろうけど。
一つ一つの言葉が温かい土佐弁に乗って心に響く。

この作品の中の、まさに「神様」でした。

★芹沢さん

って、「海の底」の?違う人?

★フェイク

なんか、ほんと可哀想で・・・
迷子の子犬を拾ってきて、猫かわいがりして唐突に捨てる、
みたいな感じだよねぇ・・・

たとえ事情があれど。

最後まで、最後の最後まで瞬の事が好きで好きで大好きで。
瞬が望むをする。瞬が喜ぶをする。

ちゃんと融合してくれて良かった。
「全き一つのもの」になれて良かった。

☆書き下ろし「仁淀の神様」

有川先生は、結構後日談好きですよね。
これってきっと興ざめする人はするんだろうなぁ。
私は、こういうの好きだけど、ここまで書かなくても・・・
っていう気持ちもちょっとだけ持っていて。

今回は瞬と佳江が結婚して子供が産まれて、そして宮じいが・・・

っていうお話なんだけど・・・
読者が想像で補う部分をがっつり書かれると、
それが“現実”になってしまうじゃないですか。
そこまでは見たくないかも・・・と、
そこがちょっと複雑な気持ちです。

「別冊Ⅱ」はどこまで書くのかな~っと
ちょっと不安な部分もあります。

とか言いつつ、読むけどね!
絶対読むけどね!

ようは自分好みの、ここまでは見たい!っていう後日談かどうか?
っていう、こちらの勝手な気持ちですからね(汗)

話を戻しますね。

この書き下ろし、泣きました。
泣いて泣いて泣いて。

これは書くべきだったのか。どうなのか。
はっきり言って分からないけど。

小説の中に「現実」があって、登場人物達は生きているんだなぁと、
そう感じさせる物語でした。

ハードカバーしか読まれてない方もいると思うので、
この書き下ろしはネタバレしないようにしておきます。



あと私、ディック達の喋り方が好きです。
出てくるオトナ達も好きです(宝田さんや佐久間さん、佳江の父母とか)
ほんと有川先生の書くキャラクターは愛すべき人ばかりで。

自衛隊三部作の中で一番好きだ!と思いました。
二番は「海の底」
「塩の町」は・・・ちょっと。ネタはいいと思うんですけども。

これだけ立っているキャラを1冊の中で書けるのですから、
そりゃシリーズの図書館はよりキャラを愛しますよね、読者は(笑)

あぁ、ほんと、色んな言葉が、心が、痛くて切なくて、涙しながら読んだ作品でした。
最後は爽やかに、恋が叶って、初恋を自覚して、そんな終わりでほっとしました。

「ラブコメ今昔」も読了いたしまして!
『青い衝撃』『軍事とヲタクと彼』がお気に入りです~
また時間があるときに詳しい感想を。

週末家にいないので来週になるかなぁ。
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やっぱり芹沢さんに引っかかりましたか(笑)
そして、今日はこちらに戻ります(笑)

私は、瞬の「どの口が言った、そんなこと」という心の声が一番胸に突き刺さりました。
私の友人のお父様が元空自のイーグルドライバーで、毎朝お父様がお出掛けになる時に、家族皆でお父様に「いってらっしゃいのキス」をしていたそうです。
最初にその話を聞いた時には単純に「すげ~!」と思ったのですが、そんな生易しいものではなくて、
「いつ最後を迎えるか分からないから」
だったのです。
そんな話を思い出して、このシーンは泣きました。

真帆ちゃんが痛いのは、いくら辛い事があったにしても、普通に育ったお嬢さんに、ここまで凄まじい事が出来るのか!?
という違和感がちょっとあるからです。
物語には必要な子なんですが!

「仁淀の神様」はジュンク堂で立ち読みします~!

因みに「海の底」では機動隊の方々が大好きです!!
「漢」と書いて「おとこ」と読む・・・。
みどり 2008/07/04(Fri)21:57:02 編集
ひっかかりまっかかり
ですよ~、あれ?って。違うのかな~?

自衛隊・自衛官て私はやはり身近にいないので
命かけてる・・・と言われてもピンと来ないのが
実際なんですが、そういうお話を伺うと、
いつ・何が起こってもおかしくない職業についてる・・・
というのを感じられますね・・・

真帆ちゃんは「物語を進めるために」キツく書かれてはいますよね(苦笑)
佳江と対比するためにわざとああなってるんでしょうかね?

機動隊!烏丸さんが頭を下げて、
そして「逃げるために」戦ったオトコ達!
うん、かっこよかったー!
足がもげ、それでも走って・・・!
うわぁぁ思い出したら読み返したくなりました!

有川さんの描く「オジサマ」はすごくかっこいいですよね。
だから緒形副隊長や進藤一正がダイスキなんです。

「仁淀の神様」ぜひ読んで下さいね!
カノン 2008/07/04(Fri)23:56:51 編集
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