「図書館内乱」読み終わり。既に「危機」に入ってます。
いや~~~面白い。面白すぎる。
こんなにツボった小説は久々。
今回は「内乱」てことで。
図書隊の中での内乱と、個人の中での内乱
という二つの面がありました。
主人公二人以外のキャラにもスポットがあたり、
人物像が掘り下げられています。
でもまぁ、基本的には主人公・郁と堂上教官の
ラブ(コメ)ストーリーなんですが、
こっちはこっちで大きく進展。
以下感想長文。
末尾に注意書き(※)ありです。
↓↓↓↓↓↓↓
★郁の両親の職場訪問
思った以上に両親とうまくいってない郁。
親に期待に応えられない事に罪悪感を抱きつつ
今の自分を認めて欲しいと言う葛藤ですよね。。。
お父さんが全部ちゃんと分かってて堂上に本を残していく、
その気持ちにじんわりきました。
「娘が真っ先に助けを求めたのはあなたでしたから」
このセリフ、男親が言うってかなり重みがありますよね。
★毬江ちゃんの話
郁と堂上のように、ずっとメインで扱われてない分、
毬江と小牧の関係ってここで説明されるだけなので
深く感じ入ることが難しいんですが、
2人の揺ぎ無い関係には、とてもほっこりしました。
一般人である毬江が、査問委員に見せた勇気と言葉。
差別差別と、勝手に騒いで、それが逆に差別を生む
って「危機」でも描かれますけど、それに
「あなたたちが差別を大好きなのはいいけど
私たちのことはほっておいて!」
立ち向かった当事者の声。
これも大きな一歩じゃないかな?
ここが一番ぐっと来ました。
小牧さんは、やっぱ怖いすね(苦笑)
好きな人のために強くなれるのは
女だけじゃありませんよってね。
最後は郁が堂上に「勝手にどこか行かないでください」
と心配するという、こっちにはもう分かってるんだけど的な
ベタ甘展開でにやにやしてしまいました。
★朝比奈登場~
・・・こんなスパイに向いてない人差し向けるなんて
未来企画と法務省は良い人材がいないのか?!
と疑問に思わずにはいられない。
柴崎と手塚の人に見せない部分が描かれた話で、
なんだ手塚も柴崎も普通の人間なんだな~って思ったお話。
図らずも情報部候補というだけで
身内と言うだけで大きな陰謀に担がされそうになる二人。
柴崎の「私の逆鱗に触れたのよ!」には思わずニヤリ。
郁は堂上からも柴崎からの大事にされてて
やっぱお姫様だなぁ~。
いつの間にか同盟組んでる手塚と柴崎には
ちょっと驚きましたけども。
自分のせいで誰かが・・・ってイヤですね。ほんと。
★査問会
自分が査問会に呼ばれたことがあるとウッカリ
言ってしまった王子様・堂上。
それ以上を郁に聞かれないためにキレるとこが子供・・・
そしてその査問会に郁が呼ばれることに。
郁がとある事件の共犯者らしい、という呼び出し理由に
「有り得ません!」と断言怒鳴る堂上教官。
ヤバイよコノ人なんてステキなの!!
ほんっきで惚れるよ2次元のアナタに!!
と読みつつ思ってしまうほど堂上さんはカッコいい。
全編通してカッコ良すぎて困る!
そしてそれに喜んで、「頑張れる」と査問会を迎え撃つ郁。
査問会後のベタ甘やり取りは電車内で読むには苦しいです。
だって顔がにやにやするから。
おまけのそのやり取りを人に聞かれるって!
どんだけ恥ずかしいんだよこの二人・・・
そんな中、真の敵は周りからの好奇の目。
そして迫り来る黒幕・手塚慧。
「ここはグリーンウッド」の手塚忍を思い出してしまいました。
(分かる人にしか分からない話ですみません)
ちゃんと話を聞いたうえでお断りし、
そのうえ「友達」である手塚を心配する郁。
成長したなぁ・・・
そしてお迎えに来てくれるのはやっぱり王子様。
カッコよ過ぎてどうしたらいいか全く分かりません(爆)
おまけに自分は半年ほど査問(&それにまつわる問題)が
長引いたのに、郁に「教官はどれくらいかかりました?」と聞かれ、
「2か月」と答える教官!!やさしい・・・
そして、読者は既に分かっていたことなので
驚きはないですが、やっと!
王子様の正体が分かってしまった郁。
そんで知恵熱出すとかありえないから!(笑)
もう可愛いなぁと、2巻目にしてやっと主人公に共感できてきて、
その分作品の世界観への入り込み度も上がりました。
だってねぇ、1巻の郁ってヒドかったよ?
「でも」「だって」のオンパレード。
私が上官なら使えない!って追い出しますよ。
「バンビ~ノ」で初期の伴ちゃん見てたときくらい
イライライライラしましたよ・・・。
さてこれが次でどう転がっていくのか(笑)
★
いやしかし。ほんと面白い。
基本的に恋愛だけ小説は好きじゃないのですよ。
恋愛+αか、+αが恋愛、がいいです。
だからこの作品は本気で性に合う。
ベタ甘だラブコメだと書いてますけど、
実際登場人物たちは銃を持って戦う戦闘員なわけで。
図書隊の内外で争いは繰り広げられているわけで。
「自由」に関してだとか、様々考えさせられるところもあり・・・
主人公の目線で読むから、ともするとそっちが正しいと
思ってしまいがちだけども、
それはそれでやっぱり偏ってるんですよね。
それが正義かは分からない、
でも正しいと思ったことをする。
こういう定義なんだと思いますけど。
文章もライトで読みやすいけど、
結構根底のテーマは難しいのです。
でもまぁそれにしてもなんにしても。
堂上教官がカッコ良すぎる。
こういう不器用な人が好きだなぁ。
「YAWARA!」の松田さんを思い出しちゃいました。
※私の性に合ってるので褒め褒めですが、
万人に受け入れられる作品ではないと思います。
あくまでライトノベルでタッチは軽いし、
感じ入るポイントって人によって違うと思うので、
本格派な人とか、文学派な人の心には響かないと思いますし。
文章力・構成力も素人の私には図りかねますが、
時の流れが速すぎるかなあってのと、
唐突に出てきた人に対して感情移入がちょっと難しいのと、
これは作家のせいではないけど誤字があったりと、
あまりに喋り口調なのと、気になる点もあるにはあります。
各キャラ立ちは素晴らしいですが、わざとらしい部分もありますし。
なのであくまで感想は「私の主観のみ」ですので
そこのところ宜しくお願いします。